洗濯機の排水口からGが出る?排水エルボ・封水・すき間の確認と対策

洗濯機の排水ホースと排水口の接続部を描き、掃除とすき間の確認を案内する画像 暮らし・サービス

洗濯機の下でGを見つけても、排水口から入ったとは限りません。
対策の出発点は、床や防水パンの掃除と、排水設備の不具合を分けて確かめることです。
排水エルボや防臭キャップを追加するだけで解決できるかどうかは、今の排水口の構造によって変わります。

私も洗濯機の下でGを見つけ、防臭キャップを使っていました。
ただ、キャップを使っていることと、侵入経路が塞がれていることは同じではありません。
どの部品が何を防いでいるのかが分かると、買い足す前に見るべき場所もはっきりします。

見つけた直後は、洗濯機を動かすより周囲を見る

驚いて洗濯機を引き出したくなっても、まず運転を止めます。
動いている機械の下へ手や掃除道具を入れると危険ですし、本体を引っ張るとホースや電源コードにも力がかかります。
清掃時の電源・プラグの扱いは洗濯機の説明書に従い、重い本体を一人で持ち上げたり傾けたりしないでください。

ライトを床と同じくらいの高さから向けると、手前からでも水跡やほこり、ホースの見える部分を探せます。
見るために奥へ手を伸ばす必要はありません。
排水口が洗濯機の真下に隠れているなら、「見えないので点検が必要」と相談するところまでで十分です。

洗濯機を動かさずライトを向け、手前から排水口周辺の見える範囲を確かめるイメージ

床が濡れている、水があふれる、焦げた臭いがする場合は、虫対策より異常への対応が先です。
使用を中止して洗濯機の水栓を閉め、メーカーや販売店へ連絡します。
電源を切り、安全に扱える状態ならプラグを抜きますが、濡れた手や濡れたコンセントには触れないでください。
水が電気まわりに及んでいるときは、無理に近づかず状況を伝えます。

水漏れなどがなければ、次のように「片付けられること」と「設備の点検が必要なこと」を分けられます。

見える状態家庭で進められること・相談先
手前にほこりや髪の毛、不要な物がたまっている本体を動かさず、届く範囲を掃除する
ホースが折れている、接続部が浮く・割れる状態を撮り、部品や設置の点検を相談する
水漏れ、あふれ、繰り返す水たまりがある使用を止め、水栓を閉めて修理・設備点検へ
排水口が見えない、部品の構造が分からない外さず、管理会社や設備業者へ相談する
設備に異常が見えなくても何度もGを見かける排水口以外の入口も調べ、必要なら害虫対策の相談へ

例えば、床のほこりを取る作業なら、見える所から少しずつ進められます。
一方、接続部の割れは掃除で直る問題ではありません。
「汚れているから虫が出た」と一つにまとめず、水跡や部品の変形を見つけた時点で点検へ切り替えると、不要な部品交換を避けやすくなります。

防臭キャップ・エルボ・封水は、それぞれ役割が違う

排水口まわりは似た名前の部品が多く、「蓋のような物を付ければよい」と考えがちです。
ただ、ホースとのすき間を塞ぐこと、水を漏らさず接続すること、排水管の奥と室内を隔てることは別の働きです。

部品・構造主な役割外から見ただけでは分からないこと
防臭キャップなどの臭気止め部品対応するホース・排水口のすき間や臭気の通り道を塞ぐその下のトラップが正常かどうか
排水エルボホースと排水口・トラップをつなぐその接続だけで封水の代わりになるかどうか
排水トラップと封水内部にためた水で、排水管からの臭いや虫の通り道を遮る部品の欠落や水不足がないかどうか

封水は、排水管と部屋を隔てる水の栓

排水トラップは、流れた水の一部が内部に残るようにした構造です。
この水を「封水」といい、排水管の奥から臭いや虫がそのまま室内へ通るのを防ぎます。
豊中市の説明でも、水が栓の役割を担う仕組みが示されています。

長い間水を使わない排水口では、封水が蒸発して臭いが逆流することがあります。
札幌市も長期の不使用を原因の一つに挙げていますが、臭う理由は蒸発だけではありません。
補水しても臭いが戻る、使っているのに臭いが続く場合には、トラップの取り付けや構造を含めた点検が必要です。

エルボが付いていても、設備全体の確認は必要

エルボは曲がった接続部品で、ホースを排水口へつなぎます。
トラップと組み合わせて使う物もあり、エルボそのものが水の栓を作るとは限りません。
見えているエルボがしっかりしていても、下の部品が正しく組まれているかまでは、それだけでは判断できないのです。

防臭キャップも、形が合って密着していることが前提です。
すでに指定のエルボや臭気止めがある所へ別のキャップを重ねると、かえって接続を乱すおそれがあります。
買い足す前に、排水口・トラップ側のメーカーと品番を手がかりにします。

部品を足せば安心と考えた女性が、既存部品の写真と品番を先に確かめる4コマ漫画

排水口は、掃除・接続・説明書の順に確かめる

まず床と防水パンを掃除し、水跡を見る

手前の物を片付け、届く範囲のほこりや髪の毛を取ります。
洗濯機の下へ無理に道具を差し込むより、床と防水パンの縁から進める方が、ホースを引っ掛けずに済みます。
濡れている所があれば拭く前に写真を残すと、後で点検を頼む際に場所を示せます。

拭いても水が戻る場合は、単なる汚れとして済ませないでください。
床に残る水が洗濯機からなのか排水接続部からなのかを、見えないまま決める必要はありません。
使用を止めて相談し、原因が分かるまで確認のための運転を繰り返さないことが大切です。

ホースと接続部は、外す前の状態を残す

次に、見えるホースが折れたり潰れたりしていないか、キャップが浮いていないか、接続部に割れがないかを見ます。
奥の物を引き寄せようとホースを引っ張るのは避けます。
抜けかけて見えても、構造が分からないまま強く押し込むと、別の部品まで動かすことがあります。

写真は接続部のアップだけでなく、ホースがどこから来てどこへ入るかが分かる全体も一枚あると役立ちます。
メーカー名や品番が読めるなら、それも記録します。
表示が見えなければ、本体を動かしてまで探さず、設置時の書類や管理会社に設備情報を尋ねる方法があります。

外せる部品と、外してはいけない部品を区別する

排水口の清掃は、設備の説明書で利用者が外せるとされる部品だけを対象にします。
取り外し前に向きや順番を撮っておくと戻す際の助けになりますが、写真は説明書の代わりにはなりません。
固くて回らない、どの部品か判別できない場合は、工具で力を加えず点検を頼みます。

SANEIのH5550C-50などの説明書では、清掃後に部品を元へ戻すことに加え、指定された部分以外を回すと漏水につながる注意があります。
洗える部品も、材質に合った方法で汚れを落とす必要があります。
似た外観でも別の型番へ同じ外し方を当てはめず、手元の製品の図と照らし合わせてください。

組み直した後は、水の流れと接続部まで見る

清掃が終わったら、外した部品を指定の向きと位置へ戻し、ホースの差し込み・固定、封水の補給方法を説明書で確かめます。
SANEIの上記説明書にも、ホースの確実な差し込みとバンド固定、エルボの差し込み不足によるあふれへの注意があります。
水の栓が必要な設備で、清掃後に乾いたまま使い終えないようにします。

水漏れなどの異常がなく、正しく復旧できた場合に限り、洗濯機の据付説明書に沿って排水と漏水を確認します。
水がにじむ、排水が遅い、あふれる、ホースが動くなら中止し、水栓を閉めて点検へ切り替えます。
水が流れたことだけで取り付け完了とせず、排水している間の接続部と周辺の床まで見るのが最後の確認です。

なお、水漏れがなくなっても、Gの侵入経路が特定できたことにはなりません。
設備の正常な状態を確かめる作業と、虫がどこから入ったかを調べる作業は分けて考えます。

排水設備の奥が見えない女性が、見える部分の写真と分かる状況を用意して相談する4コマ漫画

部品は径だけで選ばず、自己流の塞ぎ方を避ける

交換部品を買う際には、ホース径だけでなく、トラップの品番、接続形状、指定部品との組み合わせが必要です。
例えばSANEIのPH5543Fは31・32・37mm兼用ですが、この数値は同製品の仕様です。
数字が合えば、どのトラップにも使えるという意味ではありません。

自分では寸法のどの部分を測ればよいか分からない場合、品番と写真をメーカーや設備店へ見せ、「このトラップに使えるエルボ・臭気止めはどれか」と尋ねる方が話が進みます。
今の部品を捨てるのは、交換の適合と復旧が確かめられてからにします。
取り付けられない物を無理にはめ込むより、部品を確定してから作業する方が漏水の心配も減らせます。

ネットやテープを足す前に、水と空気の通り道を考える

排水口へ細かなネットを自己流に挟むと、糸くずがたまったり、接続や水の流れを妨げたりするおそれがあります。
ホース接続部をテープやパテで固める方法も、漏水箇所を見えにくくし、必要な清掃や取り外しを難しくします。
設備に適合する部品を正しく固定することを優先し、メーカーが指定していない物は追加しないでください。

壁の配管貫通部にある不要なすき間の対策と、排水ホースの接続部を固めることも別です。
壁の穴を補修する場合でも、何のための開口か分からなければ管理会社や施工業者へ確認します。
換気口全体や必要な通気まで閉じてしまうと、住まいの換気を妨げるため、入口らしい所を片端から塞ぐ方法は避けます。

熱湯や洗剤の追加で解決しようとしない

虫を見つけた勢いで排水口へ熱湯を流すと、樹脂部品を傷めるおそれがあります。
耐熱条件は設備ごとに違うため、「何度なら大丈夫」と一律には扱えません。
SANEIの上記製品にも高温の湯への注意があり、実際の清掃は手元の設備の指定に合わせます。

洗浄剤も、排水口なら何でも使えるわけではありません。
用途・材質・使用量・放置時間をラベルと設備の説明書で確かめ、複数の洗剤を混ぜないでください。
特に塩素系と酸性の製品を混ぜると有害なガスが発生します。
汚れが落ちないからと別の洗剤を続けて足すのではなく、使用中の製品の注意に従います。

臭いが続くなら設備へ、Gが続くなら周囲にも目を向ける

掃除をしたのに下水のような臭いが戻る場合は、防臭キャップを増やす前に設備を点検してもらいます。
封水の不足、部品の欠落や取り付け不良などは、表面の掃除だけでは分かりません。
賃貸なら管理会社・大家さんへ、持ち家なら排水設備を扱う業者へ、臭いが出る時期と水漏れの有無を伝えます。

一方、臭いや排水の異常は見えないのにGを繰り返し見かけるなら、排水口に原因を絞り込まないことも必要です。
玄関や窓、壁の配管まわりなど、別の場所から入った可能性があります。
KINCHOの侵入対策でも、玄関ドア下や配管まわりなど複数の入口が挙げられています。

洗濯機付近に置いた段ボールや不要な収納物を減らすと、床やすき間が見やすくなります。
持ち込んだ荷物の周辺も含めて見かけた場所を記録し、再発が続くなら害虫対策の専門業者に相談します。
原因を突き止めようと、屋外の排水ますや床下へ無理に入る必要はありません。

いつか使うつもりで残した空き箱を女性が片付け、床が見えるようになって一息つく4コマ漫画

相談時には、次の情報があると「設備を見る必要があるのか」「室内外の侵入対策が必要なのか」を伝えやすくなります。

  • Gを見つけた場所と日時、繰り返し見かけるか。
  • 臭い、水漏れ、あふれ、排水の遅さの有無。
  • 見える範囲の接続部の写真と、分かる範囲の設備の品番。
  • 行った掃除、補水、部品交換と、その後の変化。

虫の通り道を証明できていなくても、相談はできます。
例えば「洗濯機の右下で二度見た。臭いはない。排水口は本体の下で見えない」と、分かる事実をそのまま伝えればよいのです。
賃貸の部品交換や防水パンの工事は、費用や原状回復にも関わるため、依頼先と作業範囲を管理会社へ確認してから進めます。

まとめ

洗濯機の下でGを見たら、まず安全に見える範囲を掃除し、水跡と接続部の異常を分けて見ます。
防臭キャップ、排水エルボ、トラップの封水は役割が違うため、部品を足す前に今の設備との適合が必要です。

説明書の範囲で清掃・復旧できた場合も、最後は排水時の漏れと周囲の床まで確かめます。
見えない、臭いが続く、水が漏れる場合は設備の相談へ、Gが繰り返し現れる場合は別の入口も含めた対策へ進むと、次に頼む先が明確になります。

関連記事

防水パンの交換・撤去を考える前には、防水パンの必要性と設置条件で、排水設備や設置場所との関係も確認できます。

参考資料