衣類を乾燥機に入れる前に探すのは、四角の中に丸が入ったマークです。
丸の中の点が1つなら低温、2つなら高温でのタンブル乾燥が可能。
マーク全体にバツが重なっていれば、回転させながら乾かす乾燥機には入れられません。
ただ、点の数が分かっても「うちの洗濯機ではどのコース?」という疑問が残ります。
衣類の表示と、使う機器の取扱説明書を組み合わせて判断するところまでが、乾燥前の確認です。
まず記号を見分け、そのあとで機器の設定、表示が読めない服の扱いを順に確かめていきましょう。
乾燥機のマークは「四角の中に丸」。点とバツで条件が変わる
洗濯表示には、洗う、漂白する、乾かす、アイロンをかける、クリーニングに出すための記号が並んでいます。
乾燥機に関係するのは、このうちタンブル乾燥の記号です。
タンブルとは、機械の中で洗濯物を回転させながら温風で乾かす方式を指します。
衣類の脇や裾、首元などに付いた取扱表示を広げ、四角と丸が重なった形を探してください。
小さくて点が見えにくいときは、スマートフォンでタグを撮影して拡大すると、点の数とバツの有無を見比べやすくなります。

| 記号の見た目 | 意味 | 温度の条件 |
|---|---|---|
| 四角の中に丸、その中に点1つ | 低温のタンブル乾燥ができる | 排気温度の上限60℃ |
| 四角の中に丸、その中に点2つ | 高温のタンブル乾燥ができる | 排気温度の上限80℃ |
| 四角と丸にバツが重なる | タンブル乾燥ができない | 低温でも対象外 |

点1つは「低温なら使える」。温度を下げる理由がある
点1つの衣類は、排気温度の上限が60℃までの低温乾燥に対応する表示です。
「乾燥機が使える」という部分だけで判断せず、低温という条件も一緒に見てください。
点2つの服と同じ高温設定でまとめて乾かすと、この条件から外れてしまいます。
ここでいう60℃は、乾燥機から出る空気の温度の上限です。
洗濯に使うお湯の温度でも、何分乾かすかという時間でもありません。
衣類のタグに洗濯おけの「40」と点1つの乾燥記号が並んでいたら、洗うときは液温40℃まで、乾かすときは低温タンブル乾燥という別々の条件を読み取ります。
点2つは「80℃まで」。高温を選ぶ義務はない
点2つは、排気温度の上限80℃までのタンブル乾燥に対応します。
上限を示す記号なので、必ず80℃で乾かさなければならない、という意味ではありません。
機器の説明書で使える衣類とコースを確かめ、その範囲で選べます。
たとえば、点1つの衣類と点2つの衣類が混ざっている場合、点2つのほうだけを見て高温設定にするのは避けます。
低温条件で一緒に扱えるかを機器の説明書で確認するか、温度条件ごとに分けると、どちらの衣類にも合う方法を選びやすくなります。
バツはタンブル乾燥禁止。短時間だけでも判断は変わらない
バツの付いた衣類は、「低温だから」「少しだけだから」と乾燥機へ入れないでください。
熱に加えて回転による作用も受けるため、温度や時間を自己判断で変えるだけでは、表示に沿った扱いになりません。
乾燥機で仕上げたい服ほど、洗濯前にこのバツを確かめておくと仕分けが楽です。
洗濯から乾燥まで自動で進む運転を使う場合も、禁止表示の服を最初から分けておけば、途中で取り出し忘れる心配を減らせます。
マークが分かったら、洗濯機の「どのコースで使えるか」を確かめる
次に見るのは、乾燥機の本体にある品番と、その品番に対応した取扱説明書です。
メーカー名だけで探すと、別の機種の操作説明を読んでしまうことがあります。
同じメーカーでも乾燥方式やコースは同一とは限りません。
紙の説明書がなければ、メーカー公式サイトの取扱説明書検索に品番を入れます。
本体のどこに品番があるか分からない場合は、メーカーの案内で「品番の確認方法」を探すと、確認する場所を絞れます。
「乾燥できないもの」と「コースの選び方」を続けて読む
説明書を開いたら、最初に「乾燥できないもの」「洗濯物の確認」などの項目を読みます。
その機器で扱えない素材や加工、形状を把握したうえで、「乾燥」「コースの選び方」に進む順序です。
温度だけ合っていても、機器側で対象外にしている衣類は入れられません。
点1つの衣類については、その機種で低温タンブル乾燥に対応する扱いが明示されているかが確認点です。
コース名が「やさしい」「省エネ」などでも、それだけで60℃以下と読み替えないでください。
名称ではなく、説明書にある対応表示や衣類の条件で判断します。
説明が見つからなければ、メーカー窓口に「品番は○○で、タグは点1つのタンブル乾燥表示です。
使用できるコースはどれですか」と問い合わせると、知りたい条件を伝えられます。
回答が得られるまでは、その服を乾燥運転から外しておきましょう。
「温風65℃」などの数字を、表示の60℃とそのまま比較しない
製品紹介では「吹き出し口温度」「低温風」など、温風を出す側の条件が書かれている場合があります。
一方、洗濯表示の60℃・80℃は排気温度の上限です。
測る場所が違う数字だけを並べても、衣類の表示に対応するかは決められません。
ヒートポンプ式かヒーター式かという方式名も、それだけで全衣類の可否を決めるものではありません。
衣類の表示と、その機種の取扱説明書にある適合条件がそろってから運転を選ぶと、広告の温度表現に迷わずに済みます。
コインランドリーでも、衣類の表示を先に見る
コインランドリーの回転式乾燥機に入れるときも、まず手元の衣類がタンブル乾燥に対応しているかを確かめます。
店内で使える温度設定や乾燥できないものは、利用する機械の掲示・説明に従ってください。
点1つの服なのに低温の対応が分からない場合は、店の問い合わせ先へ確認します。
「大型だから短時間で済む」と考えて高温を選ぶのではなく、表示に合う設定を使えるかを先に解決する必要があります。
店舗ごとの表示や機器が違うため、別の店で使った設定ではなく、利用中の機器にある説明を確かめてください。
丸だけのマークや、四角の中の線は何を表す?
タグを見ていると、丸に英字が入ったものや、四角の中に線が引かれたものも見つかります。
形が似ていても役割は別です。
乾燥機の可否を探す場面では、まず「四角の中に丸」という組み合わせを押さえると読み違いを避けられます。
丸の中のP・F・Wは、クリーニング店向けの記号
丸の中にP、F、Wなどがある表示は、商業クリーニングの処理を表します。
家庭の乾燥機を使ってよいかを、その英字だけから判断することはできません。
たとえば、Pが入った丸と、バツ付きのタンブル乾燥記号が並ぶ服では、それぞれの記号が別の処理を説明しています。
家庭ではタンブル乾燥を避け、クリーニングを依頼するときにはタグを付けたまま店へ相談する、という読み方になります。
四角の中の縦線・横線は、干し方の案内
四角の中に丸がなく、線が描かれていれば自然乾燥の記号です。
縦線1本は脱水後のつり干し、横線1本は脱水後の平干しを示します。
縦線2本・横線2本は、それぞれ脱水をしないぬれ干しです。
さらに左上に斜めの線が加わると、日陰で干すという条件も付きます。
たとえば横線1本と斜め線の組み合わせなら、脱水後、日陰で平らにして干す方法です。
ハンガーにつるすのか、平らに置くのかまで読み取れます。
乾燥機禁止の服は、この干し方の表示まで続けて見ると、次に何をすればよいかが分かります。
「乾燥機が使えない」で確認を終えるより、干す準備まで一度に決められるのが利点です。

マークがない・消えている服は、素材名だけで決めない
タグに見当たらない場合は、裏面や別のタグも広げてみてください。
記号の近くに「タンブラー乾燥はお避けください」などの文章が付いていれば、その指示も取扱条件です。
2016年12月より前の日本の旧表示では、現在のタンブル乾燥記号は使われていませんでした。
古い服に今の記号がないことと、新しい表示の一部が省略されていること、摩耗で読めないことは区別する必要があります。
現行規格には基本記号を省略した場合の扱いもありますが、手元のタグの方式や欠落の理由が分からなければ、それだけで乾燥可と判断する材料にはできません。
ブランド名・品番が分かるなら、公式の商品情報や販売元に、写真を添えて乾燥方法を確認するのが具体的な確かめ方です。
「綿100%なら大丈夫」「ポリエステルなら全部使える」といった素材名だけの判断も避けます。
同じ素材でも織り方、厚さ、形、装飾や加工によって、乾燥時の縮みやしわの出方は変わるためです。
外見の似た服を一着乾かせた経験があっても、別の服の表示の代わりにはなりません。
ブランドへ問い合わせる際は、服全体の写真、タグの両面、品番をそろえると、対象を特定してもらいやすくなります。
乾燥方法が確認できるまでは機械乾燥を見合わせ、分かっている取扱条件の範囲で扱ってください。
表示が乾燥可でも、入れる前に外すものがある
洗濯表示は衣類の扱いを読むためのものですが、使ったあとの汚れや状態まで示しているわけではありません。
とくに油が付いた衣類は、タグが乾燥可でも別にする必要があります。
食用油、美容オイル、機械油などが付いた衣類やタオルは、洗濯後でも乾燥機に入れないでください。
洗濯で油分が落ち切らない場合があり、乾燥時の熱で自然発火につながるおそれがあります。
柔らかさや乾き具合の問題ではなく、安全上の使用制限です。
そのほかにも、使う機器の説明書で禁止されている素材や衣類を外します。
乾燥できる服がそろったら、機器の乾燥容量に合わせて入れ、フィルターが正しく取り付けられているかも確認してください。
詰め込みすぎは乾きむらや時間の延長につながります。
洗濯容量と乾燥容量が別に示されている機種では、洗えた量をそのまま全部乾かせるとは限りません。
一度に乾かせる量を説明書で確かめ、厚手と薄手など乾き方の違う物も分けると、運転を選びやすくなります。
浴室乾燥は同じマークで判断できる?
浴室に衣類を干して乾かす方法は、衣類をドラムの中で回転させるタンブル乾燥とは方式が違います。
そのため、タンブル乾燥のバツだけで浴室乾燥の可否まで一律に決めることはできません。
浴室乾燥を使う場合は、衣類の自然乾燥表示と付記された注意、浴室乾燥機の説明書を確認します。
平干し指定ならハンガーへ掛ける形に変えず、その衣類に必要な干し方を保てるかが確認点です。
熱に関する注意がある衣類や判断できない品は、衣類の販売元にも確かめてください。
「乾燥」という名前が共通していても、衣類へ加わる熱や動き、設置する場所は違います。
使いたい道具の名称から逆算するより、服の表示に合う方法を探すほうが選びやすくなります。
うっかり禁止の服を入れたときは、追加運転より先に状態を確かめる
運転中に気づいた場合は、使用機器の取扱説明書に従って停止・取り出しを行なってください。
冷却やドアロックの解除が必要な機種もあるため、すぐに扉を開けようと無理な力を加えないことが大切です。
取り出せたら、衣類が冷めてから、丈や幅、縫い目、プリントや装飾の状態を確かめます。
縮みや変形が見られる場合、引っ張ったり再び高温を加えたりして自己流で戻そうとするより、衣類の販売元やクリーニング店へ素材と状況を伝えて相談してください。
元に戻せるとは限りません。
焦げ臭さや煙などの異常があるときは、衣類の仕上がり確認より安全を優先します。
再運転せず機器の安全上の指示に従い、危険な状態ならその場から離れて消防へ連絡してください。
まとめ
乾燥機の表示は「四角の中に丸」を探し、点1つは低温60℃まで、点2つは80℃まで、バツはタンブル乾燥禁止と読みます。
60℃・80℃は排気温度の上限なので、機器の吹き出し温度やコース名だけで対応を決めず、品番に合う説明書まで確かめてください。
乾燥機に入れない服は、タグの自然乾燥表示を見て干し方を選べます。
洗濯前に仕分けておくと、洗い終わってから一枚ずつ迷わずに済みます。
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参考資料
- 消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」:タンブル乾燥・自然乾燥・商業クリーニングの記号と温度条件。
- 消費者庁「新しい洗濯表示」:洗濯表示の変更と案内資料。
- 消費者庁「平成28年12月1日からの新しい洗濯表示について」:タンブル乾燥記号が追加された時期。
- パナソニック「洗濯表示の正しい意味は?」:タンブル乾燥の方式と表示の読み方。
- パナソニック「ドラム式と縦型 乾燥機能の違いは?」:乾燥方式と、吹き出し口など温度表現の違い。
- パナソニック「家電製品の正しい使い方(衣類乾燥機)」:容量・フィルター・衣類の確認、異常時の使用中止。
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