取引先から届いたメールに「資料を添付します」と書かれているのに、肝心のファイルが見当たらないことがあります。
相手のミスと思っても、「添付漏れです」「ファイルがありません」とだけ返信するのは避けたいところです。相手を責める印象が出やすく、こちらの確認不足だった場合には、かえって気まずくなります。
添付ファイルが見当たらないときは、メール本文、共有リンク、受信環境を確認したうえで、事実を控えめに伝え、対象のファイル名を示して再送をお願いするのが基本です。
この記事では、取引先に失礼になりにくい伝え方と、状況別に使える返信例文を紹介します。私自身、取引先へ添付ファイルの再送をお願いした経験がありますが、相手のミスを指摘するよりも、「こちらでは確認できていない」という形で伝えたほうが、やり取りを穏やかに進めやすいと感じました。

添付ファイルが見当たらないときの対応は3段階
取引先のメールに添付ファイルがない場合は、次の順番で対応すると落ち着いて処理できます。
- メール本文、過去のやり取り、共有リンクを確認する
- 受信環境やセキュリティ通知を確認する
- 対象のファイル名を示して、返信メールで再送をお願いする
この順番が大切なのは、メールの添付漏れとは限らないためです。クラウドストレージのリンクで共有されている場合や、受信側のシステムが添付ファイルを遮断している場合もあります。
十分に確認したうえで見当たらなければ、遠慮しすぎる必要はありません。業務に必要な資料であれば、早めに確認することは相手にとっても有益です。
返信する前に本当に添付されていないか確認する
すぐに「添付されていません」と返信すると、メール本文に共有リンクがあったり、別のメールにファイルが添付されていたりした場合に、こちらの見落としになります。
返信前に数分だけ確認することで、不要な往復を減らせます。
メール本文と共有リンクを確認する
まず、メール本文を最初から最後まで読み直します。ファイルそのものではなく、Googleドライブ、OneDrive、社内のファイル共有サービスなどのリンクが記載されている可能性があるためです。
「以下よりダウンロードしてください」「共有フォルダに格納しました」「先ほどのリンクをご確認ください」といった一文がないか確認しましょう。
ただし、リンクがあってもアクセス権限が付与されていなければ開けません。その場合は、添付ファイルの再送ではなく、閲覧権限の付与をお願いする必要があります。
また、同じ件名の直前のメールや、別件名で届いたメールも確認します。送信者が添付ファイルだけを別送していることもあります。
受信環境やセキュリティ通知を確認する
企業のメール環境では、特定の拡張子や安全性を確認できないファイルが、セキュリティ機能によって遮断されることがあります。
たとえばOutlookやGmailでは、安全上の理由から一部のファイル形式をブロックする仕組みがあります。添付欄に警告が表示されていないか、社内のセキュリティシステムから隔離通知が届いていないかを確認してください。
見知らぬ送信者や、予定していないファイルが届いた場合は、安易に開かず、送信者へ別の連絡手段で確認することが大切です。
スマートフォンのメールアプリでは表示されなくても、パソコンのブラウザ版や別のメールソフトでは確認できる場合があります。急ぎでなければ、一度表示環境を変えて確かめる方法もあります。

取引先へ再送をお願いするときの基本構成
添付ファイルの再送依頼は、長い文章にする必要はありません。次の4点が入っていれば、用件は明確に伝わります。
- メールを受け取ったことへのお礼
- こちらでは添付ファイルを確認できなかったという事実
- 再送してほしいファイル名
- 再送をお願いする言葉
基本形は次のとおりです。
ご連絡ありがとうございます。
お送りいただいたメールを確認いたしましたが、こちらでは「〇〇資料」の添付ファイルを確認できませんでした。
お手数をおかけいたしますが、再度お送りいただけますでしょうか。
「添付し忘れています」と相手の行動を断定せず、こちらの画面では確認できていないという伝え方にすると、角が立ちにくくなります。
件名は元のメールへそのまま返信する
通常は、新規メールを作らず、相手から届いたメールへそのまま返信します。件名に付く「Re:」も削除する必要はありません。
元の件名を残すことで、相手はどの案件についての連絡かをすぐに確認できます。メールの履歴も一つにまとまるため、添付したつもりのファイルを探しやすくなります。
ただし、元の件名が「資料送付」など抽象的で、複数の案件を並行している場合は、本文の冒頭に案件名を明記すると安全です。
不足しているファイル名を具体的に伝える
「添付がありません」だけでは、相手が何を送り直せばよいのか分からないことがあります。
メール本文にファイル名や資料名が記載されている場合は、引用して伝えましょう。
「4月度見積書」の添付ファイルが、こちらでは確認できませんでした。
複数のファイルが送られる予定だった場合は、受信できたものと不足しているものを分けて書くと、確認が早くなります。
「商品仕様書」は確認できましたが、「価格表」が見当たりませんでした。
急ぎの場合は期限と理由を具体的に伝える
急いでいても、件名や本文に「至急」とだけ書くと、相手を一方的に急かす印象になることがあります。
必要な時刻と理由を簡潔に伝えたほうが、相手は優先度を判断しやすくなります。
本日15時からの社内打ち合わせで使用するため、可能でしたら14時までにお送りいただけますと幸いです。
期限は「なるべく早く」ではなく、「本日14時まで」「明日の午前中」など、具体的に示します。ただし、相手に責任のない事情で急いでいる場合は、こちらの都合であることも添えましょう。
添付ファイルがないときの返信メール例文
ここからは、状況別の例文を紹介します。会社名、氏名、資料名、日時を実際の状況に合わせて置き換えてください。
基本の返信例文
特に急ぎではなく、添付予定のファイルが一つ見当たらない場合の例文です。
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。資料をお送りいただき、ありがとうございます。
お送りいただいたメールを確認いたしましたが、こちらでは「〇〇資料」の添付ファイルを確認できませんでした。
お手数をおかけして恐縮ですが、再度お送りいただけますでしょうか。
なお、行き違いですでにお送りいただいておりましたら、申し訳ございません。
何卒よろしくお願いいたします。
急ぎで再送してほしい場合の例文
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。ご連絡いただき、ありがとうございます。
お送りいただいたメールを確認いたしましたが、「〇〇会議資料」の添付ファイルがこちらでは確認できませんでした。
本日15時からの会議で使用する予定のため、恐れ入りますが、可能でしたら14時までに再送いただけますでしょうか。
急なお願いとなり恐縮ですが、何卒よろしくお願いいたします。
複数ファイルの一部がない場合の例文
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。資料をご送付いただき、ありがとうございます。
添付いただいた「商品仕様書」と「納品スケジュール」は確認できましたが、メール本文に記載されていた「見積書」が見当たりませんでした。
お手数をおかけいたしますが、「見積書」を再度お送りいただけますでしょうか。
何卒よろしくお願いいたします。
添付されているファイルが違う場合の例文
ファイル自体は添付されているものの、依頼していた資料とは異なる場合の例文です。
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。資料をご送付いただき、ありがとうございます。
添付ファイルを確認したところ、「〇月分納品書」が添付されておりました。
今回お願いしておりました「〇月分請求書」につきましても、ご確認のうえお送りいただけますでしょうか。
こちらの認識違いでしたら申し訳ございません。
お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
ファイルが開けない場合の例文
添付ファイルが存在するものの、破損や形式の違いによって開けない場合は、「添付されていない」とは書かず、開けなかった事実を伝えます。
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。資料をご送付いただき、ありがとうございます。
添付いただいた「〇〇資料」を開こうとしましたが、こちらの環境では内容を確認できませんでした。
恐れ入りますが、ファイルをご確認のうえ、再度お送りいただけますでしょうか。
可能でしたら、PDF形式でお送りいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
機密情報を含むファイルについては、自己判断で無料の変換サービスへアップロードせず、社内ルールに従ってください。
共有リンクの権限がなく開けない場合の例文
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。資料をご共有いただき、ありがとうございます。
メールに記載いただいた共有リンクへアクセスしたところ、現在のアカウントでは閲覧できない状態でした。
お手数をおかけいたしますが、「sample@example.com」で閲覧できるよう、アクセス権限をご確認いただけますでしょうか。
何卒よろしくお願いいたします。
再送後も添付ファイルが見当たらない場合の例文
再送してもらった後も確認できない場合は、相手の操作ミスと決めつけず、受信環境の問題も考えて別の送付方法を相談します。
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。早速ご対応いただき、ありがとうございます。
恐れ入りますが、再送いただいたメールにつきましても、こちらでは添付ファイルを確認できませんでした。
当方の受信環境による可能性もございますので、差し支えなければ、貴社指定のファイル共有サービスまたは別の方法でお送りいただくことは可能でしょうか。
お手数を重ねておかけし、申し訳ございません。
何卒よろしくお願いいたします。

再送してもらった後のお礼メール例文
再送を受けたら、ファイルが開けることまで確認してから、簡潔にお礼を伝えます。
すぐに業務上の返答を送る予定がある場合は、その返信の冒頭でお礼を伝えても構いません。再送のお礼だけを独立したメールで送るかどうかは、相手との関係や案件の進み方に合わせます。
株式会社〇〇
〇〇様いつもお世話になっております。
株式会社△△の□□です。早速ご対応いただき、ありがとうございます。
再送いただいた「〇〇資料」を確認いたしました。
お手数をおかけいたしました。
引き続き、よろしくお願いいたします。
急ぎで対応してもらった場合は、次のように一言添えると気持ちが伝わります。
お忙しいところ、早急にご対応いただきありがとうございました。
添付ファイルがないことを伝える丁寧な言い方
同じ内容でも、言葉の選び方によって印象は変わります。取引先へ送る場合は、相手のミスを直接断定しない表現が使いやすいでしょう。
| 表現 | 印象・使い方 |
|---|---|
| こちらでは添付ファイルを確認できませんでした | 最も無難。受信側の環境も含めた客観的な表現 |
| 添付ファイルが見当たりませんでした | やわらかく伝えやすい。社外メールにも使える |
| 添付されていないようです | 断定を避けた表現。ただし、やや相手側の操作へ焦点が向く |
| 添付漏れかと存じます | 意味は通じるが、相手のミスを推測する表現なので慎重に使う |
| 添付漏れです | 断定的。取引先への第一報では避けたほうが無難 |
迷ったときは「こちらでは確認できませんでした」を使うと、相手を責めずに事実を伝えられます。
取引先への再送依頼で避けたい書き方
相手のミスと断定する
「添付し忘れています」「添付漏れです」と断定すると、責められているように感じる人もいます。
実際には共有リンクで送られていたり、受信側のセキュリティ機能が遮断していたりする可能性もあります。そのため、最初の連絡では断定を避けたほうが安全です。
避けたい例は次のとおりです。
添付し忘れています。もう一度送ってください。
次のように直すと穏やかです。
こちらでは添付ファイルを確認できませんでした。お手数ですが、再度お送りいただけますでしょうか。
再送依頼だけを一方的に書く
「再送してください」だけでは、命令のように受け取られることがあります。
メールを送ってもらったことへのお礼と、「お手数をおかけします」という配慮を添えるだけで、印象は大きく変わります。
ファイル名や期限を書かない
複数の資料をやり取りしている場合、「ファイルがありません」だけでは、相手が対象を特定できません。
必要なファイル名、案件名、対象期間を明記しましょう。急ぎの場合は、「至急」だけで済ませず、必要な日時と理由を伝えます。
不必要に何度も謝る
相手の添付漏れが疑われる場面で、受信者側が過度に謝る必要はありません。
「こちらの見落としでしたら申し訳ございません」「行き違いでしたら失礼いたしました」など、一度添えれば十分です。謝罪が多すぎると、肝心の依頼内容が分かりにくくなります。

社内の上司や同僚には関係性に合わせて表現を変える
社内メールでは、取引先ほど改まった表現にする必要がない場合もあります。ただし、上司と親しい同僚では、適切な言い方が異なります。
上司へ伝える例文
〇〇部長
お疲れさまです。
先ほどお送りいただいたメールを確認しましたが、こちらでは〇〇資料の添付ファイルが見当たりませんでした。
お手数ですが、ご確認のうえ再送いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
同僚へ伝える例文
お疲れさまです。
先ほどのメールを確認しましたが、〇〇資料の添付が見当たりませんでした。
お手数ですが、もう一度送ってもらえますか。よろしくお願いします。
部下や後輩へ伝える例文
メールを確認しましたが、〇〇資料の添付が見当たりませんでした。
送信済みメールを確認のうえ、再送をお願いします。あわせて、送信前に添付ファイルが開けるか確認してください。
立場が上であっても、感情的に責める必要はありません。再発防止を伝える場合は、「なぜ失敗したのか」を問い詰めるよりも、送信前にファイル名と添付状態を確認する手順を共有したほうが実務的です。
添付ファイルの再送依頼に関するよくある質問
「添付漏れです」と書くのは失礼ですか?
必ずしも失礼とは限りませんが、取引先への第一報では避けたほうが無難です。「添付漏れです」は、相手のミスと断定する表現だからです。
「こちらでは添付ファイルを確認できませんでした」「添付ファイルが見当たりませんでした」と書けば、同じ内容をやわらかく伝えられます。
「添付されていないようです」は丁寧ですか?
「ようです」によって断定を避けているため、強い表現ではありません。ただし、主語が相手側の操作に向いているため、より穏やかにするなら「こちらでは確認できませんでした」が適しています。
返信の件名は変えたほうがよいですか?
基本的には変えず、元のメールへ返信します。同じ件名と履歴が残ることで、相手が対象の案件を確認しやすくなるためです。
ただし、元の件名だけでは案件を特定しにくい場合は、本文の冒頭に案件名や資料名を明記してください。
「行き違いでしたら申し訳ございません」は必要ですか?
必須ではありません。相手が別メールで送付している可能性がある場合や、短時間に複数のメールが届いている場合に添えると自然です。
一方、メール履歴を十分に確認し、明らかにファイルがない場合は、なくても失礼にはなりません。定型句を重ねるより、依頼内容を明確にすることが大切です。
急ぎの場合は件名に「至急」と書いてもよいですか?
本当に緊急性が高ければ使えますが、常用は避けましょう。元のメールへそのまま返信する場合は、本文に「本日15時の会議で使用するため、14時までに」と具体的に書くほうが、相手が対応の優先度を判断できます。
非常に急ぐ場合は、メールを送った後、相手との関係や社内ルールに応じて電話や業務用チャットでも連絡します。
再送をお願いしても返信がない場合はどうしますか?
必要な期限まで時間がある場合は、相手の業務時間を考慮して待ちます。期限が迫っている場合は、同じメールに重ねて返信するより、電話や通常使用している業務用チャットで到着確認をすると確実です。
その際も、「先ほどメールを送りましたが」と事実を伝え、相手を責めないようにします。
パスワード付きZIPファイルで再送を頼んでもよいですか?
ファイルの送り方は、自社と取引先の情報管理ルールに従う必要があります。自己判断で特定の方式を指定せず、双方が利用できる承認済みのファイル共有サービスや、安全な送付方法を確認してください。

添付ファイルの行き違いを減らすために自分側でも確認する
取引先へ再送を依頼する立場になったときは、自分が送るメールについても確認方法を見直すよい機会です。
送信前に、次の項目を確認すると添付漏れを減らせます。
- 本文に書いたファイル名と、実際の添付ファイルが一致しているか
- 古い版や別案件のファイルを添付していないか
- 添付ファイルが正常に開くか
- 共有リンクの閲覧権限が受信者に付与されているか
- 宛先、CC、BCCに誤りがないか
- 機密情報の送付方法が社内ルールに合っているか
特にファイル名が似ている資料を扱う場合は、「案件名・資料名・日付・版」をファイル名に含めると、送る側と受け取る側の双方が確認しやすくなります。
まとめ:相手を責めず、ファイル名を明記して再送をお願いする
取引先から届いたメールに添付ファイルが見当たらない場合は、まずメール本文、共有リンク、別送メール、セキュリティ通知を確認しましょう。
確認しても見つからなければ、「こちらでは確認できませんでした」と事実を控えめに伝え、必要なファイル名を明記して再送をお願いします。
返信では、次の順番を意識すると簡潔にまとまります。
- 送付へのお礼を伝える
- こちらではファイルを確認できないと伝える
- 必要なファイル名を示す
- 再送を丁寧にお願いする
- 急ぎなら具体的な期限と理由を書く
私が取引先へ再送を依頼した際にも、相手のミスを断定せず、対象の資料を明確にしてお願いすることで、余計な行き違いを避けやすくなりました。
添付漏れは、誰にでも起こり得る小さな行き違いです。責任の所在を追及するより、必要な資料を確実に受け取り、業務を前へ進めることを優先するとよいでしょう。
参考資料
- Google「Gmailでブロックされるファイル形式」(2026年7月21日確認)
- Google「GmailでGoogleドライブのファイルを送信する」(2026年7月21日確認)
- Microsoft「Outlookでブロックされる添付ファイル」(2026年7月21日確認)

